緊急事例報告  
 
 
 
経鼻栄養チューブ留置位置の確認ミスに起因した栄養剤誤注入について
 
意識障害があり気管切開をしている患者に、経管栄養を開始するために鼻腔から硬質の栄養チューブを挿入した。その際、栄養チューブが気管切開チューブのカフを押しのけて右気管支内に誤挿入された。医師及び介助の看護師は留置位置を確認するために気泡音の聴取をした。 「音が聞こえた」ので、経腸栄養剤を100ml注入した結果、肺炎を起こした。

この事故は、

1.チューブ留置位置の確認方法が、胃部の気泡音聴取だけであった。

2.硬質の栄養チューブの適応や使用時の留意事項が検討・周知されていなかった。

ことが原因と思われます。

栄養チューブ

栄養チューブ 貴施設におかれましては、栄養チューブの適切な使用方法について、以下の点を早急に確認し、安全確保を図るよう勧告します。
 
1 院内の看護手順などマニュアルにおける栄養チューブ留置位置確認方法を点検し、複数の方法をとるように整備すること。
栄養チューブ先端位置の確認は、気泡音の聴取だけでなく、胃液(胃内容物)の吸引による確認を行うこと。 また、栄養チューブのマーキング位置の確認や口腔内の状態(栄養チューブが口腔内でたまっていないか)などもあわせて、複数の方法により確認することを周知徹底すること。
※気泡音聴取は、雑音を聴取して聞き間違える恐れがある。

25 栄養チューブの留置位置が不明確な場合の確認方法についても整備し、周知徹底すること。
現時点では、レントゲン撮影での確認がもっとも確実であるといわれている。また、確認する用具(リトマス紙等)の利用や、複数の職員によるチェック体制の確立など、安全な確認体制を整備すること。

3 硬質な栄養チューブやスタイレット付きチューブ挿入時は、添付文書を確認し、安全な使用基準の検討及び周知の徹底を図ること。
※硬質の栄養チューブと同様に、スタイレット付きの栄養チューブを使用した場合に類似した事故が報道されています。

参考>
日本看護協会、緊急安全情報、平成17年6月23日付け「スタイレット付き経鼻栄養チューブの安全な使用について」
財団法人日本医療機構評価機構、認定病院患者安全推進協議会、提言「経鼻栄養チューブ挿入の安全確保」
「経腸栄養チューブ等に係る添付文書の改定指示等について」 薬食安発第0615001号 平成19年6月15日[PDF]