緊急事例報告  
 
 
 
気管内挿管施行中の患者の死亡事故について
 
深昏睡状態(Japan Coma Scale -200)で気管内挿管施行中の患者の死亡事故が発生しています。

 事例1

検査のためにストレッチャーに移動した際、酸素ボンベからの延長チューブを、T字型コネクタなどを経由せずに直接気管内挿管チューブに接続し、換気が困難となり数時間後に死亡した。

  1. 気管内挿管施行中の患者の呼吸に関する基礎的知識および医療用具(T字型コネクタ、酸素チューブ、挿管チューブ)の使用方法への理解が不充分であった。

  2. 気管内挿管チューブと酸素の延長チューブの接続部分がぴったりとはまる規格の製品が採用されていることの認識が不足していた。

  3. 気管内挿管施行中の患者移送時の手順や安全確認の方法が明確になっていない。
接続部分写真
(実際のものとは異なります)


 事例2

呼吸補助器具(成人用閉鎖型気管吸引システム)を1人で交換した際、本来なら呼気側のキャップをはずさなければならないところ、キャップが付いたままになっており、換気が困難となり数日後に死亡した。

  1. 気管内挿管施行中の患者の呼吸に関する基礎的知識および医療用具(呼吸補助具)の使用方法への理解が不充分であった。

  2. 呼吸補助器具(成人用閉鎖型気管吸引システム)は、人工呼吸器装着患者への使用を目的とすること、及び、交換は二人で行なうこと、という病院内の規定が遵守されていなかった
呼気側のキャップ
(実際のものとは異なります)


などが原因と思われます。貴施設におかれましては、下記の点を確認し、気管内挿管施行中の患者の呼吸管理および酸素投与時の安全確保を図るよう勧告します。

 
1 気管内挿管施行中の患者の呼吸管理(解剖生理学等の基礎的知識及びT字型コネクタ、酸素チューブ、挿管チューブ、呼吸補助具等の医療用具の使用方法と注意点、)に関する、職員指導の実施状況(指導の対象・時期・内容・方法)や業務内容(挿管チューブと酸素チューブ、呼吸補助具等を接続する時の呼吸音確認等)について調査し、現行指導プログラムや業務内容の見直しと再考を行う。

25 院内で採用されている各種チューブ類と、接続して使用する延長チューブの規格、コネクタの種類および使用頻度に関する調査と適合する組み合わせについて検証し、不要なコネクタを回収する。また、人工呼吸器使用と吹流し状態での使用が同時に選択できないようなコネクタを採用する。

3 気管内挿管施行中の患者移送時の手順(チューブ類をつなぎ合わせたときは、呼吸音を必ず聴取するなど)を再整備し、職員への周知徹底を図る。

3 気管内挿管施行中の患者の医療器具について調査し、病院での規定が遵守されているか状況を把握する。また、遵守されていない場合は職員への注意喚起を促す。

参考>
日本看護協会、医療・看護安全情報、平成17年2月7日付け緊急安全情報「気管内チューブのコネクタ間違いによる死亡事故が発生」