警鐘事例  
 
  事例
 No.027
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 誤薬(患者間違い)
 
 
病院から報告された事故の概要
  患者Bに打つはずのインスリン(決め打ち:ヒューマカート26単位)を、同室患者A(BSチェックのみ)に注射してしまう。
当日、内服のオイグルコンは服薬させず、30分ごとに血糖測定の指示を受ける。本人には「今日は血糖値の変動を見る検査をすることになっているので、食事開始と共に、頻回に血糖測定をします。その検査の関係で、食前の内服は今日は中止になります。」と伝え、了解を得る。また、朝の抗生剤の溶解液を5%ブドウ糖液から50%ブドウ糖液に変更し、実施する。
 
     
要因
 

患者Bに使用するインスリンと認識していたが、入室して同室患者Aに声をかけられ、対処後そのままAに注射してしまった。

 
     
病院で実施した改善策
 

割り込み業務をしないように。特に微量で大きな作用・影響を及ぼすものの時には、アクションを終わらせてから対応するようにする。

 
     
評価委員会からのコメント
  病室で患者に声を掛けられることはしばしばあることです。予測し得なかった緊急事態が発生することもあり、業務を割り込ませないようにするのは、時と場合によって難しいこともあります。それよりも、注射時の基本である患者確認の実施を徹底するべきです。注射の手順書は作成され守られていますか。
それよりも、今回のケースのように偽りの説明をすることは感心できません。今回は患者が低血糖ショックなどに陥らずに不幸中の幸いではありますが、本来は誤った医療行為が行われたことに対し、患者に正直に謝罪し、安全確保の為に何が行われ、どのようなことが起こる危険性があるのかなど、すべてを知らせ、患者に協力して頂くことが必要ではないでしょうか。このようなことは「隠蔽している」と取られるだけで、病院にとって良いことは何もありません。患者には真実を明らかにし、正直に誠実に対応することをお勧めします。また50%ブドウ糖で抗生剤を溶解することは一般的ではありません。単に血糖値の確保だけを目的として行うのではなく、抗生剤の効果に影響を与えないかなどの妥当性を十分検討して行ったのでしょうか。
誤りがあったことを患者に説明しなかったために更に不適切な処置が行われた最も悪い事例であり、最も学ぶべき点の多い事例といえます。
 
 
 

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