警鐘事例  
 
  事例
 No.032
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 手術(ガーゼカウント)
 
 
病院から報告された事故の概要
  右肺癌に対し、右上葉スリーブ切除術施行後、1週間後胸部単純X-Pにて肝後面横隔膜上にガーゼがあることを発見した。なお、閉胸時通常通り2回のガーゼカウントを行い、ガーゼ枚数は一致していたことを確認、胸腔内の探索でもガーゼは認められなかった。ガーゼ遺残発見後直ちに術者より患者本人、家族に事実が報告され、緊急にてガーゼ摘出術を行うことが説明された。患者ならびに家族は事態に関する了解と手術に対する同意が得られた。
同日夕刻よりガーゼ摘出術が行われ、ガーゼを摘出、術後経過は順調であり、その後合併症等は起こっていない。術後経過は順調であった。
 
     
要因
 

従来、術直後、手術室内にて撮影する胸部X線写真は、軟らかい条件のみであった。

 
     
病院で実施した改善策
 

1. 術直後、手術室内にて撮影する胸部X線写真をガーゼやドレーンが強調される硬い条件のものと、肺野が良くみえる軟らかい条件のものの2枚を現像する。
2. 手術野になるべくガーゼを置かないようにする。
3. 閉胸前のガーゼ確認(ガーゼの枚数確認と術野の視認)をもう一度徹底する。

 
     
評価委員会からのコメント
  ガーゼカウントが一致したにもかかわらず、体内にガーゼの遺残があった事例です。患者は行わなくても良い手術を受け、身体的にも精神的にもかなりの苦痛を体験したといえます。
この事例では、ガーゼ遺残があったにもかかわらず何故ガーゼカウントが一致してしまったのかについての追及が不足しています。日頃行っている方法で今回のようにガーゼ遺残が起きたのであれば、なおさら従来の方法を見直す必要があります。人はエラーを起こすものではありますが、そのエラーが何処でどのようにして何故起こったのかが解らなければ、同じエラーは繰り返されてしまいます。もう一度、手術器械の準備段階から閉胸までのどの場面でガーゼが1枚増えたのかを検討してください。
 
 
 

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