警鐘事例  
 
  事例
 No.054
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 手術後の肢位確認
 
 
病院から報告された事故の概要
  腓骨筋腱脱臼に対し、腓骨骨切り手術を行った。骨片をスクリューで固定後にレントゲン写真を撮影し、骨切りが正しく行われている事を確認し、手術を終了した。しかし、写真が正しい肢位で撮影されておらず、スクリューの長さが適切であるか評価できていない事に術後に気づき、改めてレントゲン写真を撮影したところ、スクリューが長すぎ、その先端が関節内に突出していていた。通常の関節運動には影響の無い位置であったため、いったんはそのまま経過観察する方針であったが、万全を期すために患者様に説明し同意が得られたため、4日後に局所麻酔下に適切な長さのスクリューに入れ替える手術を行った。  
     
要因
 

スクリューの長さについては、スクリュー刺入前にデプスゲージを用いて何度も繰り返し測定し、対側に突き出ることを危惧して、測定値よりも短いものを選択した。このため術中レントゲン写真を見た段階で、スクリューの長さが不適切であるという疑念をもっておらず、その写真では骨内にスクリューが納まっているように見えたため、それ以上の確認を行わなかった。

 
     
病院で実施した改善策
 

写真が正しく撮影されておらず、必要な確認が十分に出来ない場合には、追加撮影をためらわない。
一つの手技で確認している事柄についても、常に問題が生じている可能性を考え、ダブルチェックを行う。

 
     
評価委員会からのコメント
  的確なスクリュー挿入を確認するためには、先ず正しい肢位にして、方向を変えてのレントゲン透視が必要である。平面で一方向から確認するだけではミスの可能性を排除することはできません。レントゲンが正しく撮影されていなかったとありますが、なにが原因だったのでしょうか。 
術中、術後の確認方法をマニュアル化しそれを遵守していくことで今回のような見落としを防止することは可能と言える。
なにはともあれ、万全の体制で臨むことになり、患者に対して誠実な対応をとられたことはよかったと思われます。

 
 
 

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