警鐘事例  
 
  事例
 No.061
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 誤薬
 
 
病院から報告された事故の概要
  指示にてジゴキシン1/2A+生食100ml点滴を中止し内服へと切り替える予定であった。しかし、注射伝票は中止になっていない。点滴も用意されており実施してしまった。  
     
要因
 

前日に指示受けした際変更をしていなかった。情報シートに変更になることは記入されていたが薬剤科に中止の連絡をしていなかった。確認不足。

 
     
病院で実施した改善策
 

中止の指示受けは必ず注射伝票も破棄する。
変更時は細心の注意をはらう。

 
     
評価委員会からのコメント
 

この事例の要因は本当に「確認不足」でしょうか。指示はなかったわけですから確認のしようがありません。情報シートには誰が記載したのでしょう。
「情報シートには変更になることは記入されていた」にもかかわらず「注射伝票は中止になっていない」という状況が何故発生したのかを明らかにする必要があります。
指示の流れを確認し、分かりやすい順序で、全員がそれを守ることも大事ですが、それ以上に大切なものは指示内容の正確な把握です。「何故、ジゴキシンを中止して内服にするか」といった指示内容が全員によって理解されることが必要です。指示されたことを機械的に実行するだけでは、見間違い、聞き違い、思い違いがおこります。チーム医療であるならば、発生源の意思がはっきり伝わるようなシステムで指示を出すように努力する必要があります。
全ての医療行為は医師の指示がなければできないわけですから、医師が記述する指示システムを確立し、変更や中止の指示を受けた時に行うべき手順を明確にして全員が指示の内容とこの患者における治療の意味や指示変更の意味を理解した上で確実に実施すべきです。「情報シート」、「指示」が異なるようなシステム、幾つもの情報を見なければいけないシステムでは、指示と情報シートが異なる場合や一方しか確認しないなどが起こりやすくなります。
注射指示受け後の情報シート等に転記をすることがリスクを招きます。医師の指示した処方箋がそのまま薬局に伝わるような、注射指示の情報が分散しないシステムを考える必要があると思われます。

 
 
 

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