新たに薬が開始になった場合、特に循環動態に影響する重要薬剤の場合は、患者の状態と共に確実に実施されているかベッドサイドで確認することが必要です。
キシロカインのような薬品を看護師が投与していることが間違いの元です。開始後しばらくは不整脈の変化や患者の状態を医師が確認し、その後の管理を看護師に任せるのであれば分かりますが、このように事故が多く報じられている薬品をはじめから看護師だけで取り扱うことに関しては、医師も看護師もその責任を充分果たしているとは言えません。
この事例では、リーダーが病室を訪室したとき、部屋もちナースが訪室したとき、準夜ナースが申し送られたときの以上3回の場面で間違いを発見する機会がありました。その誰もが、薬剤のルートを確認していなかった事実についても振り返る必要があります。
また、あいまいな会話で確認するのではなく、根拠となる指示箋をもとに確認することが原則です。さらに、口頭で確認したからと言ってやってもいない人がサインをすることの不誠実さもこの事故の原因と言えます。本来処置や治療はやった人の責任を明確にするためのもので、やっていない人が施行者のサインをしてしまったのではすべての約束事が無意味になってしまいます。
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