警鐘事例  
 
  事例
 No.083
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 薬剤過剰投与
 
 
病院から報告された事故の概要
  気管支喘息発作の患者。 SpO2 94% wheeze 前肺野に聴取、症状強かったため、エピネフリン皮下注施行となった。上級医師は投与量を 0.3ml と指示したが、指示を正確に把握せず、 1ml 皮下注射した。
その後ベネトリン 0.3ml +生食 3ml 吸入、 SpO2 96 % wheeze 消失、自覚症状は改善した。血圧の異常など過剰投与による症状を認めなかったため、そのまま帰宅とした。上級医師からの口頭指示を正確に理解していなかった。
 
     
要因
 

知識不足であり、注射薬の確認を怠ったこと。

 
     
病院で実施した改善策
 

必要量だけの準備
別の医師・または看護師に、実施前に確認する。

 
     
評価委員会からのコメント
 

事例がおきた要因について、知識不足と確認不足が挙げられていますが、どうしてそうなったのかその内容を分析することこそが重要です。

口頭指示は確認が十分にできずに重大な事故に発展することも多く見られます。緊急や救命という状況では口頭指示を完全になくすことは現状では難しいと思われます。それ以外では口頭指示を受けないことが基本です。

このケースの場合、気管支喘息発作ではありますが、それほど切迫した状況とは思えません。たとえ緊急時に口頭指示を受けたにせよ、その際のルールを作っておく必要があります。たとえば、「大きな声で指示を出してもらう」「指示を受けたら復唱する」「ミリ」だけの指示は受けない」など院内で検討してみてはいかがでしょうか。

薬剤の効用や必要な使用量に関して知識があやふやであるにもかかわらず、自己判断で薬剤を取り扱うことは絶対に避けるべきです。指示内容に関する確認は、指示を出した当事者(上級医師)に行うべきですが、何故当事者に確認できなかったのか、疑義照会のシステムは明確になっているかなど、院内の指示の流れ方を多方面から見直してみる必要があると思われます。

又、投薬ミスを防ぐためには、ダブルチェックが有効に行われるシステムの確立が必要です。オーダリングシステムの導入も検討してみてはいかがでしょうか。

いずれにせよ、一瞬の記憶は一瞬にして消え去るということを忘れてはいけません。
 
 
 

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