警鐘事例  
 
  事例
 No.099
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 手術体位による皮膚損傷
 
 
病院から報告された事故の概要
 

頸髄症の手術を、4点フレームを使い腹臥位で施行。
約4時間後、仰臥位に戻した際、両腸骨部に1×1.5 cmの中心に圧迫痕を伴う皮膚損傷を認めた。

 
     
要因
 

・確認不足。
・4点フレームの枕が横向きになっていて、板状の硬い部分が角に出ていたが、上からスポンジ、綿包帯、不織布で包まれていた為気づかなかった。(左腸骨に当たっていた部分)
・スポンジ等は枕による圧迫を軽減するために使用しているが、手術の都度・新に巻き直していなかった。そのため、枕の向きが確認しにくい状況であった。
・使っているスポンジが老朽化しており、徐圧の目的が十分達せられていなかった。

 
     
病院で実施した改善策
  ・フレームを準備する時、看護師は、枕が上向きであること、スポンジが適切に当たっている事を確認する。
・腹臥位をとる前に医師にフレームの枕の位置と向きを確認してもらう。
・スポンジ等は、適宜交換する。
・徐圧方法・徐圧用品を検討する。
 
     
評価委員会からのコメント
 

要因の分析に関しては、人的要因とともに、物理的要因や環境的要因など多くの観点からの検討がされており感心しました。対策に関しては、要因に対して考えられている点はよいのですが、「適宜交換」の「適宜」とはどの程度のことか。「徐圧方法・徐圧用品を検討する」の「検討」とは、何を意味するのか疑問が残ります。  

手術に入ると体位を変えることができにくくなるため、術前の十分な確認が必要と思われます。本事例のように、除圧に関しては目視だけでは十分な確認とはいえないようです。実際に患者が触れる場所を手で触り確かめる必要があります。

手術室内の整備点検は定期的に行われていますか。その際、手術台については何を確認していますか。動かせる所は一通り操作して安全性を確認するとともに、除圧目的に使われているスポンジの状態も点検してください。用具の交換時期を明確にしておくことも必要です。すべての手術台を総点検し、老朽化が進んでいる用具については新規購入も含めて検討しましょう。
 
 
 

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